奨学金の返済はいつまで?親子で知っておきたい基本と計画の立て方

大学進学にかかる費用を補うため、多くの学生が奨学金を利用しています。しかし、奨学金は必ず返済義務があります。「返済はいつまでに終わるの?」「どのように計画すればいいの?」と不安を感じる親御さんも多いでしょう。この記事では奨学金返済の基本知識と、返済計画の立て方をわかりやすく解説します。奨学金を利用する際は、借りる前に返済計画についても必ず考えておくことが重要です。

奨学金返済の基本ルール

日本学生支援機構(JASSO)などの奨学金の多くは、卒業後6カ月の猶予期間を設けたうえで返済が始まります。この猶予期間は就職活動や新生活の立ち上げ期間として設けられており、この間は返済義務が発生しません。一般的に返済期間は10年程度ですが、返済方法や借入額により多少の差があります。例えば、少額の借入であれば5年程度で完済することも可能ですし、逆に借入額が多ければ15年程度に延長されるケースもあります。

  • 返済開始時期:卒業(または退学)後、約6カ月後から。ただし、大学院進学や留学などの理由で返済開始を延期できる特例制度も存在します。
  • 返済期間:原則10~15年程度。ただし繰上げ返済も可能。たとえば急に収入が増えた場合は、返済期間を短縮でき、総返済額の利息負担を軽減できます。
  • 返済方法:毎月の口座振替が一般的。指定金融機関から自動引き落としされるため、返済忘れを防ぐことができますが、残高不足に注意が必要です。

具体例:月々の返済額と返済総額

たとえば、奨学金で年間100万円を4年間借りた場合、合計400万円の借入となります。返済が10年間に渡る場合、単純計算で年間40万円、月々約3万3千円の返済になります(利息を含まない場合)。実際は利息も加わるため、月々の負担はやや増えます。利息の種類は固定金利や変動金利があり、固定金利の場合は返済額が一定ですが、変動金利だと金利変動により返済額が増減する可能性があります。

例えば、月々3万円台の返済でも10年間続くと、総返済額は元本に加えて利息が数十万円上乗せされることがあります。そのため、返済シミュレーションをする際は利息の影響もしっかり確認しましょう。また、実際には返済途中で転職や収入減少などのライフイベントが起こることもあるため、余裕をもった返済計画が重要です。

返済計画を立てるためのポイント

  1. 現在の借入金額と返済開始時期を正確に把握
    日本学生支援機構のマイページなどで最新の借入状況を確認しましょう。借入残高だけでなく、利率や返済郵便も確認し、返済開始日を見逃さないように注意してください。
  2. 月々返済額をシミュレーション
    返済期間や利率から毎月の返済額を計算し、現実的に支払える金額かを検討します。JASSOでは公式サイトにシミュレーターが用意されているため活用すると良いでしょう。
  3. 収入の変動に備えた返済方法の選択
    収入に応じて返済額を変動させる「所得連動返還型奨学金」もあります。経済状況に不安がある場合は検討しましょう。このタイプの奨学金を選択すれば、収入が減少した場合に返済額が減り、返済負担を調整できますが、返済総額が増加する可能性もあります。
  4. 繰上げ返済の活用
    経済的に余裕がある時期は繰上げ返済を行うと、利息負担を減らすことができます。ただし、繰上げ返済には手数料がかかる場合もあるため、事前に確認してください。

もし返済が困難になったら?

返済が厳しくなった場合は、滞納する前に日本学生支援機構へ相談することが重要です。返済猶予や減額返還などの制度が用意されているため、無理に滞納するリスクを避けられます。例えば、病気や失業、育児休暇などやむを得ない事情がある場合は、最大で1年単位で返済を猶予してもらえることがあります。

また、奨学金とは別に、自治体や大学が提供する返済免除や減免制度をチェックするのもおすすめです。特に、医療や福祉分野での就労を条件に全額または一部免除される制度もあるため、該当する職種で働く予定がある場合は申請を検討しましょう。

まとめ

奨学金の返済は、卒業後約半年から始まり、原則10~15年で完了します。返済期間中の家計負担を軽減するために、借入額や返済額を正確に把握し、計画的に返済を進めることが大切です。返済額が家計に与える影響をシミュレーションし、無理のないプランを立てましょう。また、返済が厳しくなった場合は、早めに相談窓口を活用し、滞納を避けることが重要です。親子でしっかり話し合い、将来の負担を見据えた準備を進め、必要に応じて専門家に相談することもおすすめします。

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