大学進学にあたり教育費の負担は多くの家庭で大きな課題となっています。その中で「教育ローン」と「奨学金」は資金調達の代表的な方法ですが、それぞれ性質や使い方に違いがあります。ここでは初心者にもわかりやすく両者の特徴、具体例、利用時の注意点を解説します。
教育ローンとは
教育ローンは、銀行や日本政策金融公庫などの金融機関が提供する貸付制度です。借入金には利子がつき、返済は原則として決まった期間と方法で行います。学費のほかに、入学金や生活費の一部に使える場合もあります。
- 具体例:日本政策金融公庫の教育一般貸付。無利子ではなく、金利は固定または変動型。
- 利用例:入学時にまとまった初期費用が必要、授業料の支払いが間に合わない場合など。
注意点としては、借りたお金には利子がつくため、卒業後に返済負担があること、返済計画をしっかり立てることが重要です。また、審査があり、収入や信用情報が判断材料となります。
教育ローンの失敗しがちな落とし穴
例えば、月々の返済額ばかりに目を向けて全体の返済期間を長く設定した結果、総返済額が想定より高額になってしまうケースがあります。また、生活費も含めて借り入れを増やし過ぎると、卒業後の返済が家計を圧迫しやすくなります。金利変動型のローンを選んだ場合、将来的に金利が上昇して返済負担が増加するリスクもあります。
できる人の手順(教育ローンチェックリスト)
- 借入れ前に返済シミュレーションを行い、無理のない返済計画を作成する。
- 複数の金融機関の金利や条件を比較検討する。
- 返済開始時期やボーナス返済の有無など、返済方法を柔軟に選べるか確認する。
- 収入証明や保証人の準備など、必要書類を早めに揃える。
奨学金とは
奨学金は、主に日本学生支援機構(JASSO)や自治体、学校などが提供する給付・貸与制度です。貸与型は借りた金額を卒業後に返済しますが、給付型は返済不要です。
- 具体例:JASSOの第一種奨学金(無利子貸与)、第二種奨学金(有利子貸与)、地方自治体の給付型奨学金など。
- 利用例:成績や家計状況に応じて支援が受けられる。返済不要の給付型は競争率が高い場合もある。
奨学金を利用する際の注意点は、貸与型の場合、返済義務があります。また、申請時期や提出書類が決まっているため、早めに情報収集と準備を進めることが望ましいです。給付型は条件が厳しい場合があり、誰でも利用できるわけではありません。
奨学金利用の失敗例
たとえば、奨学金の申請を進路決定後の直前に行い、結果が入学後に判明したために費用の手当てが間に合わなかったケースがあります。また、貸与型奨学金を利用したが、卒業後すぐに返済を始められず、返済遅延や信用情報に傷がつくリスクも見逃せません。
できる人の手順(奨学金準備チェックリスト)
- 高校や大学の奨学金担当窓口で相談し、申請時期と必要書類を正確に把握する。
- 家庭の所得証明や成績証明書など、求められる資料を早めに準備する。
- 複数の奨学金制度を比較し、条件に合ったものを選ぶ。
- 貸与型の場合は返済計画を卒業時までに立てておく。
どちらを選ぶかのポイント
教育ローンと奨学金の大きな違いは、利子の有無や返済方法、条件の違いです。一般的には、奨学金(特に給付型や無利子のもの)を優先的に検討するとよいでしょう。ただし、奨学金が受給できない場合や入学金などのまとまった費用が急に必要な場合は教育ローンが有用です。
- 奨学金:申請時期・条件の確認を早めに行う。
- 教育ローン:返済負担や利息を把握し、返済計画を立てる。
具体的な家庭のケース
たとえば、共働きのAさん一家では、家計に余裕があるものの入学時の初期費用が不足するため、日本政策金融公庫の教育ローンを利用しました。一方、Bさん家庭は収入が限られており、JASSOの第一種奨学金と地元自治体の給付型奨学金を併用し、返済不要の資金と無利子の貸与型をバランスよく活用しています。どちらのケースも、早期の情報収集と計画的な申し込みが成功のポイントとなっています。
相談先とサポート窓口
教育資金の相談には、以下の窓口が利用できますので積極的に活用しましょう。
- 学校の進路指導担当:奨学金制度や申請方法について詳しく教えてくれるほか、資料の準備にも協力してくれます。
- 日本政策金融公庫の教育ローン窓口:ローンの説明や申し込み手続きのサポートを受けられます。
- 日本学生支援機構(JASSO):奨学金の申請から返済相談まで対応。
- 地方自治体の教育支援窓口:地域独自の給付型奨学金や助成制度について案内しています。
- 消費生活センター:教育ローンや奨学金に関するトラブルや疑問の相談も可能です。
これらの窓口で相談する際は、家庭の収入状況や進学予定の大学、希望する資金使途を具体的にまとめておくと、より適切なアドバイスが受けられます。
いずれも例外や特例がある場合がありますので、具体的な利用を検討する際は、学校の進路指導担当や金融機関の相談窓口に問い合わせることをおすすめします。家計全体のバランスや将来の返済能力も考慮しましょう。

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