大学生の教育費の中でも、学費と仕送りは家計における大きな負担となります。学費は大学に支払う授業料や入学金が主ですが、仕送りは生活費や教科書代、交通費など、学費以外の部分にかかる費用です。両者のバランスを取ることは、無理なく学生の生活を支える上で重要です。
具体例:年収別の仕送りと学費の割合
たとえば、年収500万円の家庭の場合、学費が年間約80万円(国公立大学の平均)だとすると、仕送りは月5万円程度が無理のない範囲と考えられます。一方で、私立大学や理系学部は学費が高い場合もあり、その場合は仕送りを抑える工夫や奨学金の利用を検討するとよいでしょう。
具体的なケースとして、年収700万円の家庭では、学費が年間120万円に上る私立理系学部の学生に対し、生活費の仕送りを月4万円に抑えつつ、学生本人がアルバイトで月2万円ほど稼ぐ例もあります。これにより家計の負担を分散し、無理なく教育費を捻出しています。
バランスを考える際の注意点
- 学費は固定費に近いため、計画的に準備が必要ですが、仕送りは生活費の変動により調整可能です。
- 無理に仕送りを増やすと家計が圧迫されるため、家族で収支の見直しをすることが望ましいです。
- 学生本人のアルバイトや奨学金を活用することで、家計の負担を分散できます。
- 仕送りの金額を固定化しすぎると、急な家計の変動に対応しにくくなり、トラブルのもとになるため注意が必要です。
- また、仕送り額が多すぎると学生の自立心が育ちにくくなる可能性もあります。
実践的な手順:学費・仕送りのバランス調整方法
- 年間の学費とその他必要経費をまとめる。
- 家計の収支を把握し、教育費に充てられる予算を決める。
- 仕送り可能な月額を設定し、学生側と相談する。
- 収入の変動があった場合は見直しのタイミングを設ける。
- 必要に応じて奨学金やアルバイトの利用を検討する。
- 定期的に家族会議を開き、状況に合わせた見直しを実施する。
- 生活費の内訳(食費・交通費・教材費など)を学生と共有し、無駄を省く努力をする。
失敗しがちな落とし穴と注意点
家計負担を軽減しようと仕送りを極端に削減すると、学生が生活に支障をきたすことがあります。特に、交通費や健康管理費を十分に確保できない場合、通学や体調管理に影響が出るため注意が必要です。また、奨学金申請のタイミングや条件を把握せずに見落とし、結果的に利用できないケースも見受けられます。
さらに、学生がアルバイトを過度に行うと学業がおろそかになることもあるため、学費・仕送りのバランス調整は生活の質と学業の両立を念頭に置く必要があります。
できる人が実践しているチェックリスト
- 学費・仕送り・生活費の総額を正確に把握している。
- 学費以外の費用(教科書代・交通費・スマホ代等)も予算に入れている。
- 奨学金や教育ローンの申し込み期限を確認している。
- 学生本人と定期的に収支状況を共有し、無理のない仕送り額を維持している。
- 家計に変化があれば、すぐに対応策を練っている。
- 家族間で役割分担(学費負担や生活費管理など)を明確にしている。
相談先とサポート窓口
教育費や仕送りのことで不安がある場合は、早めに専門機関へ相談することをおすすめします。以下のような窓口が一般的です。
- 各大学の学生支援センターや奨学金担当窓口:奨学金申請や生活支援について相談可能。
- 地方自治体の教育相談課:住んでいる自治体の補助制度や教育ローンの案内を受けられる。
- 日本学生支援機構(JASSO):奨学金や教育ローンの情報提供および相談窓口。
- ファイナンシャルプランナー(FP):家計全体の見直しや教育費計画に関する専門的なアドバイスが受けられる。
これらの窓口を適切に利用しながら、家計と学生の状況に応じた最適な学費・仕送りのバランスを模索しましょう。

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